協働の必要性とは・・・

私の視点 奈良NPOセンター事務局長 奥村 直幸

特定非営利活動促進法(NPO法)が成立して、今年で20年。多くのNPOが社会の課題解決をめざして活動している。
しかしながら、NPOの活動には、理解が得られていない部分もあると感じている。
私が所属する奈良NPOセンターは、県内のNPOの活動を後押しする中間支援組織として、日々、各団体からの相談
を受けている。寄せられる悩みは、高齢化や資金難など、経営の持続性に関わるものが多い。
非営利を掲げていても、活動を続け、発展させる体力が必要だ。
高い理念を掲げながら、財政難から頓挫したNPOをいくつも見てきた。市民活動に参加する大学生は多いが、職業
の選択肢にはなっていない。活動に関わる人の情熱頼みでは、後継者も育ちにくい。
しっかりとした運営基盤をつくるには、どうすればよいか。一つは、各NPOが活動を可視化し、多くの人の共感
を得ることではないかと考える。活動している人たちは、その分野の課題が広く共有されていると思いがちだが、
必ずしもそうでない。発信力の強化が求められている。
地域の課題解決のために、一つの団体では手に負えないケースもある。行政、企業、場合によっては市民として動
いている個人を同じ方向を向いた仲間として、互いを知り、議論する場が必要だ。押しつけ合うのでも、ライバル
視して仕事を囲い込むのでもなく、協力できるところを探る。人と人とのつながりが、新たな可能性を開くだろう。
愛知県では2004年に、NPOと行政が対等な立場で「協働」することを誓い合い、協働条例「あいち協働ルールブッ
ク」をつくった。一緒に世の中をよりよくしていこう、という意気込みが表れていた。この数年、奈良NPOセンター
は、NPO団体同士、NPOと行政、大学、企業などをつなぎ、協働を促す取り組みに力を入れている。昨秋には、N
POセンターと県の産業振興センター、五つの金融機関などとネットワークを構築。各広報、販路拡大、融資の申し
込みなどをワンストップで受け、支援できるようにした。
自治体、企業、大学、NPOの関係者が審査や助言に加わる「なら・ソーシャルビジネスコンテスト」は2011年か
ら毎年開催している。NPOが自分たちの取り組みを発信する機会であり、実際に新たな出会いや展開を生んでいる。
活動の可視化、横のつながりの強化で、市民の共感を得られれば、動きは広がる。さらに、行政に対して政策提言
をするようなことも可能だと思う。国も地方自治体も財政は厳しく、課題は山積みだ。でも、社会的課題解決に関
して自由な発想で、楽しみながら解決への道を探ることができると信じている。

文責 理事 奥村 直幸

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